学長挨拶
「人々を支える歯科衛生士をめざして」
愛知学院大学短期大学部は、「行学一体」「報恩感謝」を建学の精神に掲げ、仏教、とりわけ禅の素養にもとづく人間教育を目標としています。仏教とは、人々が幸せになることを実現するための教えです。私たちは、誰もが自分の幸せを願っていることに間違いはないでしょう。そのために、私たちは様々なことを考え、様々なことに挑戦します。しかし、自分がどれだけ頑張っても、まわりの人々の支えがなければ、それを実現することはできません。まわりの人々に支えてもらうためには、まずは自分がまわりの人々を支えることが必要でしょう。そうでなければ、誰も私を支えてくれません。この「支え合い」の精神が、「報恩感謝」の極意であると私は考えます。とは言え、具体的に何を行ったらよいのでしょうか。それを考える知恵を身につけなければなりませんが、知恵だけを身につけても、それを実行しなければ意味がありません。「行学一体」とは、まさにこのことを表しています。
皆さんは、歯科衛生士として人々を支えることを目指しています。口腔の健康を保ち、歯や口の病気を予防することで、人々の健康と生活を守ることが目標です。そのためには、幅広い専門知識や卓越した技術とともに、医療人としての使命感と倫理観を身につけることが大切です。同時に、在宅医療の重要性がますます高まる今日においては、円滑なコミュニケーション能力も欠かせません。そうした知恵と能力を修得するために、様々な教養科目によって知見を広げながら、実習や演習をとおして歯学の専門的な知識や技能を習得し、臨床実習ではその応用として、問題を見つけ、分析し、解決する力を養ってもらいたいと思います。
本学ではそのような教育を遂行するために、チューター制度やティーチング・アシスタント制度を活用しながら、皆さんが自発的に学修できる環境を整えています。また、臨床実習教育では、医科・歯科連携や多職種連携などによるチーム医療を体験する機会を提供しています。充実した教育環境の中で、皆さんが建学の精神を体現するような魅力的な歯科衛生士となられ、人々の健康増進のために活躍されることを心から願っています。